conto
□夕暮れ時の教室で
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「トシ、待って、待っ…!!!」
ガタン、と教室の椅子が音をたてる。泰楽の静止の声も聞かずトシは泰楽の首筋に噛み後残した。キスマークよりも濃く、どちらかというと歯形に近いものがそこにはつけられた。
「っ…なに、どうしたの?」
「イライラすんだよ」
そう言われても泰楽には理解しがたい。かろうじてわかるのはトシの機嫌が最高潮に悪い。そんなトシを宥めようと肩に触れたら手首を掴まれ床に押し倒された。ゴツと頭に音が響き、痛みに耐えているとトシと目があった。その顔は玩具をとられて泣きそうな子供の顔である。
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