conto
□アナタの弱点どこですか。
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アイツの弱点が、しりたい。そんな欲望が突然湧いた。
きっかけなんて些細なもので。ただいつも強気に笑うあの顔をほんのちょっと歪ませたいというか、泣かせたいなんて思ったのがはじまりで。特に深い意味はないに等しかった。
お目当ての人物を見つけたから、早速俺の欲望を叶える為に行動に移る。ナオと楽しく会話している泰楽の腕をさりげなく掴み、此方に引き寄せる。体格差もあってか大人しく引き寄せられる泰楽。一瞬停止したが直ぐに覚醒し俺の方を見上げてきた。その仕草がなんとなく可愛くてギュウと音がでるほど抱き締めた。う、と唸る泰楽に良心が痛み、少しばかり力を緩めた。
「トシ、どうしたの?」
質問をスルーして抱き締めていた腕を首から脇えとかえる。古典的だが、弱点を発見しやすい方法の擽(くすぐ)りを試してみた。
「……?」
「………。」
「お前脇に擽りきかねぇの?」
「うん。悪いけど、首とか膝とかも平気だよ」
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