conto
□その手の体温が心地良い
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新型インフルエンザがまたジワジワと流行ってきた。俺はホラ、バカはなんちゃらってやつで気ぃ抜いてたらやられた…。
(39度1分とか、洒落にならねぇ…)
早く治すためにも布団で寝てるけど、暑いような寒いような感覚がずっとして。息も勝手に早くなるから苦しくて、追い討ちかけるかのように咳が止まんなくって、鼻水もひっきりなしにでて。飯、食わねーと。って思うのに起き上がると目眩がして世界がぐるぐるまわって布団に逆戻り。ホントに俺、死んじゃうかも。やっぱり風邪の時は人恋しくなるんだな、なんて軽いこと考えてたらプルルル、と着信がなった。
「ぁ、い゛」
「凄い声。後もうちょっとで学校終わるから待ってて」
「うん…」
電話に出たのはいいけど誰かわからない。母さんかな、取りあえず誰か来るからほっとして。さっきまで全然眠たくなかったのに急に眠くなって、目を閉じたら一気に夢の中に落ちてった。
カチコチと時計の針が動く音がする。その音に目が覚めればなにやら人の気配。やっぱり母さんか。覚醒しきれていない頭でその人物に目をやれば家族とは違う見慣れた奴がそこにいた。
。