ブック

□ひみつ
1ページ/1ページ


「はあー…寒い。何でこんなに寒いのに全校生徒が集まらなきゃならないんだろうね千鶴」
「はい…寒いです、あの総司さん自分のクラスに並ばなくて良いんですか?怒られちゃいますよ」
前で話している先生に見つからないように、こそこそと話す千鶴は悴んだ手を擦り合わせながら不安げに問う

「うん怖い鬼さんにバレなきゃ大丈夫だよ」
にっこり笑う沖田に「そうですか」と少し不安は残ったまま淡い桃色の膝掛けをかけなおす
その動作をまじまじと見ていた沖田は何か閃いたかのように「僕も」と言って千鶴に密着し、千鶴の膝掛けに沖田も入る

「そっ…総司さん!?」
「しー、先生にバレちゃうよ?」
沖田の細い長い冷えた人差し指が千鶴の柔らかい唇にあたる
至近距離な為に吐息が彼のあたって擽ったい

「ん、やっぱり一緒だと暖かいね」
「そ、そうですけど」
くっついた体から伝わる熱とは別に、また違う熱が生まれてきて熱さで熔けてしまいそう
嬉しい反面心臓が落ち着きません、と心が騒ぐ

「こうすれば、もっと暖かいよ」と言って千鶴の冷えた手をとり、指を絡め繋ぐ
その行動に完熟した林檎のような千鶴が沖田の顔を見つめる
そんな彼女を愛しく思いながら彼は笑って囁いた
「ずっとこうしていたいね」
その言葉に彼女も「はい」と微笑んだ



******

中学生や高校生の冬の季節に友達とかと二人で一つの膝掛けって使いませんでしたか^^?
それを沖千がしていたら可愛いなぁと


 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ