夢の中へのノクターン

□君に呼ばれた気がしたんだ
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君の存在を意識した時に僕は君と一緒に居れる方法を考えてみたことがあった




死んだら運命が終わる訳ではない気がする


向こうにいっても続いているのだ










「あーあ…」



僕がこの世界にまだ居るってことは、やっぱり魂がまだ逝ききれてないみたい





向こうに逝ったら近藤さんとか、いるんだろうな





「…また作りすぎちゃった…」



彼女の声だけが部屋に響く





近藤さんも気になるけど今は酷く頼りない背中を僕に向けて度々、いやほぼずっと踞って泣いている彼女が気になって仕方がない






まぁそりゃ僕だって千鶴に置いて逝かれたら泣いてしまうかも知れないし、むしろ後を追ってしまいそう




でも手を差しのべたくても空中を游ぐかのように通り抜けてしまう




空気にしか触れられない










こんなときまでも僕は無力なんだ



置いて逝かれる悲しみを理解出来ずに君をあやすことも出来ず、ただ君をみているだけしか出来ない、なんて







「千鶴、」





声を出しても僕の耳には届いても千鶴の耳に届かないんじゃあ意味がない



君の声はこんなにも僕に届くのに







「…無視…しないでよ…千鶴…」



沖田は苦笑混じりに言った





仕方の無いことなのに割りきれない、酷いよね



千鶴には僕の姿は見えてないんだろうな

じゃなかったら、そんなに泣いたりはしないだろう





「…もう寝ようかな…」



そう言って、とぼとぼと寝室に向かって歩いていく彼女の後を沖田は追った









 
 
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