夢の中へのノクターン

□僕と君の愛のかたち
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「はい総司さん」


「ん?」




千鶴の声に総司が振り向くと彼女の小さな手には千鶴を装って作ったであろう人形と自分を装って作ったであろう人形二つが握られていた




「…これ…」


「総司さん今日は何の日ですか?」



驚く総司に春の風が吹くように朗らかに微笑む千鶴





「…そりゃ……あ、千鶴は何の日だと思う?」


からかうように千鶴の顔を覗きこみながら聞く総司に千鶴は頬を染め赤面する


「…私は総司さんに聞いているんです」




「ははは、ごめんごめん。わかってるよ今日は僕と千鶴が夫婦になった日だよね忘れる訳ないじゃない」


「当たりです」

蕾だった花が開花したかのような笑顔をみせる千鶴に総司も微笑んで、




「だから最近僕をほったらかしにして一人コソコソしてたんだね。もう僕、気が狂いそうだった」

そう言うと総司は千鶴を優しく包み込む



「この私の人形は総司さんに。総司さんの人形は私のです」



「うん、ありがとう。凄く嬉しい」



「これならいつでも一緒に居る気がしませんか?」




「そうだね、これなら千鶴が家事をしててもキスできるもんね」





「へ!?…あのですね総司さん!そうことじゃ─」


総司の、さらっと言った一言にまた頬に熱をもち焦る千鶴が総司は堪らなく愛しくて





「でもやっぱり僕は千鶴が良いな」


そう言って千鶴の頭にキスをする




「私だって総司さんが良いです」



「千鶴、」


「はい総司さん」




「この人形も千鶴も大事にするから。愛してるよ…」


深碧の瞳に宿る熱を感じて


「…私も好きです大好きです愛してます!」



幸せな花が咲いた



 


(どんなものだって二人のものなら大事にしたい)

(今の幸せを失ってしまわないように願おうね)




This is between you and me happiness….
 

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