夢の中へのノクターン

□ここにいるのに
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※アニメ最終話ネタバレ
※管理人の「こうだったら良いな」という妄想の故に捏造、ご都合たっぷり

アニメの世界を大切にしたい方は、お控え下さい












「ふぅ…」

沖田は部屋で一人溜め息をついた




例の銀の銃弾を撃たれ、療病の為に一度新選組を離れ、体調は万全とは言えないが、また戦うためにこの地に帰ってきた



だけど帰ってきて僕の耳に届いたのは源さんが亡くなったこと、山崎君が瀕死状態なこと、
それで千鶴ちゃんが、つきっきりで看病をしていること




だから、山崎の看病に忙しそうな千鶴は帰ってきた沖田に目を向けることもなくて





「うーん…なんか…」

(モヤモヤする)




銀の銃弾で撃たれて意識が遠退いていく時、彼女の嗚咽混じりに掠れた声で何か言葉を発し、自分の頬にポタポタと落ちてきた滴の感触をまだ覚えてる


目が覚めてからは、ずっとその事ばかりを考えていた





自分も少し様子を見に行くか、と立ち上がろうと動いた瞬間、隣の部屋、山崎と千鶴がいる部屋からガシャーンと陶器のような物が破損する音がした





その音に心臓が跳ねあがり、納まると同時に胸騒ぎがする



急ごうとするのに身体が重く、だるくて思うように足が進まなくて腹立たしく、もどかしい




やっとの思いで部屋に着けば、耳に嗚咽啜り泣く声が


床には割れた陶器の欠片が散乱し


目の前には山崎君の手を握る



彼女の項垂れた背中






事の状況が理解出来た沖田は静かに千鶴の隣に座る



千鶴はビクッと肩を震わせ、涙で一杯の顔を沖田に向け、いてもたっても居られない様子でまた瞳から滴が溢れ出す


そして、また泣きじゃくる



そんな千鶴を沖田は無言で見つめ、天井を見上げた



(……山崎君、狡いよ)




死人に、そう思ってしまう自分は酷く浅ましい



心の中で言葉が溢れ出る


(ねぇ千鶴ちゃん)



こんなにも近くにいるのに、きっと今の君には僕の声も届かなくて





(僕はここにいるのに)


(戻って来たんだから、ただいまくらい言わせてよ、)


fin





***********

アニメは沖千シーンが多く(偏見的に見てるからかも知れないですが)
折角戻ってきたのに山崎さんに気をとられてる千鶴に、仕方無いとは分かっていても僕にも構え、と沖田さんは無性に切なくなったり嫉妬してたんじゃないかな?…と妄想したんです。

沖田さんを偏見的に見ている証拠ですね。すみません。


 

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