夢の中へのノクターン
□今日が幸せで、
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「ねぇ千鶴、結婚指輪の意味知ってる?」
ソファーで二人寛いでいたら総司が千鶴に聞いてきた
「…?知らないです」
キョトンとした顔で答える千鶴に、まぁ僕も本当かは分からないんだけどね、と微笑混じりに話し出す総司
「人間の邪気みたいな悪い物は全部左手に集まるんだって。だから結婚指輪は相手の人生に影響を与えないように、と願いを込めて指輪で邪気を押さえ込むという意味で、はめるらしいよ」
なんかロマンチックだよね、と笑う総司
「へぇ…素敵ですね…じゃあいつもこの指輪には、お祈りしないと」
そう言って千鶴は自分の左手に、はめられた指輪を大事そうに見つめた
そんな千鶴を見て総司は愛しい、と溢れんばかりに気持ちが高ぶった
「ありがとう千鶴。生まれてきて、僕の奥さんになってくれて。今日は、とても大切な日だ」
幸せを噛みしめるかのように言いながら、ぎゅっと後ろから抱き締める
「…私だって大切な日です。総司さんがプロポーズをしてくれた日でもあるんですから」
「千鶴に出逢えたから今の僕が、いるんだ。…だからある意味、今日は僕の誕生日でもあるかもね」
可笑しいかな?と不安気に問う総司に千鶴首を横に振りながら
「私も総司さんに出逢えたから今の私がいるんですよ。なら総司さんの誕生日は私の誕生日でもありますね」
優しい微笑みを浮かべ嬉しそうに話す千鶴に総司も、つられて頬を緩めて微笑む
「誕生日おめでとう千鶴」
「はい。おめでとうございます総司さん」
今日が幸せで、
(見えない明日が、もっと幸せを感じられる日でありますように)
(そう願いながら今の幸せを大事にしていけたら良いね、)
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千鶴生誕企画様に提出致しました。素敵な企画に参加させて頂き、ありがとうございました。
少しでも誕生日を迎える千鶴と誰かが幸せを感じられますように。