universal mutterブック
□prologue
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「いよいよ明日…だね」
薄暗い部屋の中で、ある少年は自らの明赤色の髪に軽く触れながら呟いた
その少年の翡翠の瞳は楽しげに細められていた
「人間共がどんな反応をするか楽しみだぜ」
別の少年が先程の少年の言葉に同調し、黄金の瞳を輝かせながら口元に弧を描いた
その少年は先程の少年と同じ赤髪だが、その髪は燃え盛る炎の様な真っ赤な色をしていた
「まぁ、私達が動くのは暫く先の事だろう」
3人目の少年は静かに呟いて手に持っていた本から2人の少年に翡翠の瞳を移した
その少年の髪は2人の少年とは対照的に、凍りついた氷の様な青白い色をしていた
「あーさっさと暴れてぇなー」
「その行動力を別の所に生かせばいいのに」
「はぁ!?」
「まぁまぁ2人共落ち着いて」
「…ふんっ」
「…」
明赤色の髪の少年は青白い髪の少年に今にも掴み掛かりそうな真っ赤な髪の少年を宥めた
宥められた少年は不服そうに外方を向き、もう1人の少年も本に視線を戻した
その時、一連のやり取りを椅子に座りながら眺めていた1人の少女が静かに立ち上がり、3人の少年の前に立った
その際に少女の纏められた空色の髪が軽く揺れ海色の瞳が3人の少年を見据えた
『相変わらずですね、貴方方は』
「此奴がつっかかってくんのが悪い」
「何の事だか」
「何だと!?」
『2人共お止めなさい』
再び険悪な雰囲気になったが、少女の凛とした声で直ぐに収まった
『お父様の計画の始動は明日、私達はお父様の力になる様に行動しなければなりません。それをちゃんと分かっていますね?グラン、バーン、ガゼル』
「勿論」
「当然だ」
「分かっている」
少女に名を呼ばれた3人の少年は口々に返答した
『お父様の望みは私達の望みなのですから…』
そう小さく呟いた少女は海色の瞳を星の輝く藍色の空に向けた
開始前夜
→後書き