天使の恋心ブック
□立ちはだかる壁
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尾刈斗中との試合は、10日後に決まった
〔えぇっ!?金縛り!?〕
部室で皆を驚かしているのは栗松だ
どうやら昨日の対決の事を話している様で、更に続けた
「そう!昨日、幽谷との対決で円堂さんは動けなくなったでやんす…あれは[呪い]に違いないでやんす…!!」
壁山はそれを聞いて震えだした
「ひえぇ〜、やっぱり尾刈斗中は[呪い]を使うのか〜」
「こら栗松、余計な事を言って皆をビビらすな!!」
「あの呪い技を幽谷は[ゴーストロック]と呼んでるそうですよ」
「呪いなんてある訳ないだろ、なにが[ゴーストロック]だ!」
「だが体が動かなくなったのは事実だろう」
「う…」
はっはっはっと笑い飛ばす円堂だったが、豪炎寺の言葉に何も言えなかった
「確かに俺も[呪い]があるとは思わないがな…何か気付いた点は無かったのか?」
「そう言えば、彼奴が蹴る前のユラユラした動き…あれを見て一瞬クラッと来たんだ…」
「それでは正体はきっと[催眠術]ですね」
そう言ったのは、手に[催眠とオカルト]と書かれた本を持った影野だった
「催眠術?」
「催眠術とは潜在意識に働きかける術…幽谷は自分の動きで金縛りの催眠術を掛けたのでしょう。オカルト現象の殆どが当事者の思い込みです。恐らく幽谷は金縛りの催眠術を[呪い]と思い込ませ、我々を脅かしていたのです」
「成る程、催眠術!」
多摩野が声をあげて喜んだ
「影野、珍しく喋ると良い事言うな〜!」
『何気に酷い様な…』
「[ゴーストロック]は催眠術…!!」
「呪いじゃなければ攻略出来そうですね!」
「そうだな!!どうすればいいんだ!?」
影野が答えようとしたが、それよりも先に紅葉の口が開いた