天使の恋心ブック
□目覚めた天使
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遂に試合の日がやって来た
部員達は試合が始まる前にウォーミングアップを済ましていた
「パスだ!!豪炎寺ー!!」
半田からパスを受けた豪炎寺はボールが回る前に、体を捻って目付きを変えた
「[ファイアトルネード]!!」
炎を纏ったボールは、鮮やかにゴールを決めた
『流石、豪炎寺君だね』
「試合前の練習でも格が違うな」
「悔しいが、やはり彼奴は天才FWだな…」
紅葉と風丸が話している傍で、染岡は悔しさ半分憧れ半分といった眼差しで豪炎寺を見て呟いた
「何そんなショボい事言ってんだよ染岡!!お前だって雷門中の大事なFWじゃないか!」
「…円堂」
円堂は笑いながら背中を叩いて染岡を励まし、それにより染岡は自信を取り戻した
「…成る程、流石帝国から1点奪ったというストライカー。豪炎寺修也、やはりお前は徹底マークが必要のようですね」
その時、対戦相手の尾刈斗中がヒッヒッヒッと不気味な笑い声を響かせて現れた
「来たな、尾刈斗中」
強気な笑みを見せる円堂達だが、観客は気味悪がっていた
「うわぁ、なんて不気味なチームだ…」
雷門中と尾刈斗中は互いに向き合った
「呪いの力、たっぷりと教えてあげますよ」
「ふん、お前らの言う[呪い]が実は[催眠術]だってのはもうお見通しだぞ!」
「ほぅ…気付きましたか…」
「特訓の成果見せてやるぜ!!」
「フフフフッ…。そう簡単に我々の呪縛からは逃れられませんよ…」
強気に笑う円堂に対し、幽谷はニシャーッと怪しげな笑みを浮かべたが、ユニフォームを着た紅葉を見て表情を変えた
「おや、貴女はこの間の…マネージャーだと思っていましたが、選手でしたか」
『2年の更級紅葉です。今日は宜しく御願いしますね』
紅葉は微笑みながらそう言った
一方その頃
「鬼道さん、何故雷門中なんかに来たんですか?」
「何かあるのか?」
「どうやら雷門中が尾刈斗中と試合をするらしくてな、様子見だ」
佐久間、源田、鬼道が雷門中の入口に佇んでいた