天使の恋心ブック
□好敵手との交流
1ページ/9ページ
御影専農中との試合の日の翌日
「お嬢様、型を此方に置いておきますね」
『有難う』
雷門中は創立記念日という事で休みだった
更に昨日が試合だった事もあり今日は練習も無かった
紅葉は家にあった材料でお菓子作りをしていた
『出来た、ブラウニー!』
早速食べようと食器棚からお皿を取り出す紅葉
しかしある事が頭をよぎり動きを止めた
『…帝国は学校あるよね、今日は雷門中の創立記念日だもん』
紅葉はポツリと呟き、暫くの間ブラウニーを見つめた後にある事を思い付いた
『そうだ!』
紅葉はブラウニーを食べやすい大きさに切り、プラスチックの容器に丁寧に入れて、更にそれを紙袋の中に入れた
その後、財布や携帯等といった必需品を鞄に詰め込み、鞄と先程の紙袋を手に持って皇を探し始めた
皇が偶々近くの部屋にいた為、探すのには数分も掛からなかった
『宇宙さん、これからちょっと出掛けたいんだけどいい?』
「勿論構いませんよ、どちらにお出掛けなさるんですか?」
『さっき作ったブラウニーを友達と一緒に食べようと思って』
「ではそのお友達の所に行かれるんですね」
『うん』
「それは宜しい事ですね」
『喜んでくれるかなぁ?』
「きっと喜んで下さいますよ。お気を付けて行ってらっしゃいませ」
『うん、行って来まーす!』
紅葉は玄関に向かい笑顔で外に飛び出した