天使の恋心ブック

□天使の生まれた日
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『あ』


冬休みの最中のある夜、紅葉はある事に気が付いた

明日の部活の準備をしている時にふと目をやったデジタル時計の表示が、彼女にとって意味のあるものだったのだ


『今日、私の誕生日だ』


時計の表示は[1/7 00:00]

それは紅葉がこの世に生を受けた日を示していた


『(そろそろだとは思ってたけど…時が経つのは早いんだなぁ)』


ほんやりと考えていると携帯がメールを受け取る音を奏で始めた

その音は特定の人物からの知らせにのみ奏でられるものであり、紅葉は即座に携帯を手に取って確認した



From:有人
件名:連絡
−−−−−−−−−−−−−−
カーテンを開けて下を見てみろ



『下…?って有人!?』



メールの内容通りにカーテンを開け下を見てみると、其処にはメールを送った張本人である鬼道がいた

紅葉は慌てて階段を駆け降り、鬼道の元に向かった


『有人、どうしたの?』

「一番最初にお前に言いたくてな」

『何を?』


一呼吸置いた鬼道は、紅葉を見つめ口を開いた


「紅葉、誕生日おめでとう」


紅葉は驚いて鬼道を見つめ返した


『覚えててくれたんだね』

「忘れるわけないだろう、大切な恋人の誕生日を」

『ありがとう、凄く嬉しい!』


満面の笑顔を浮かべた紅葉を見て、鬼道も優しげな笑みを向けた


「来年も再来年も、紅葉の誕生日は俺が最初に祝おう。こうして隣でな」

『有人…うん!』


2人は静かに唇を重ねた







→後書き
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