SAお題小説
□逃亡
4ページ/5ページ
―――どこまで、来たのだろう。
―――どれくらい走ったのだろう。
私は今、森の中の湖にいる。
「どこまで来たんだろう…ねぇ――――」
横を向いたけど、そこには誰もいない。
「―――置いてきた…!」
―――最低だ、私は自分の兄妹を…!
「諦めるんだ。」
「貴方は…。」
いつの間にか、後ろには親のことを知っている人がいました。
「いや、助けにいく!!」
「無駄だよ…。」
「なんで!?行ってみないとわからないのに!!」
「……………。」
彼は目を反らした。言いづらそうでした。
「…まさか……」
「…君はこれから1人で生きるんだ。」
「…嫌だ!!なんで!?せっかく、あの施設から逃げ出せたのに!!兄妹で、No.390とも楽しく生きられると思ったのに!!なんで……!!」
「…2人の分も、君が生きるんだ。」
「…ううっ…………」
―――あれから、時間は経ち、空が明るくなってきました。
私は生きていいのか、2人は許してくれるのか、そればかりを考えていました。
でも、もう決めました。
自分のことは、自分で決めます。
「…私もいこう。」
その場所から誰もいなくなったあと、取り残された人がいました。
その人は―――――
Fin.