影の申し子達(旧)
□光と影と闇
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「え、危険って…?」
―第三話・光と影と闇―
みくみ君が衝撃発言(?)みたいなことを言ったのでちょっと焦ってる冬美です。
そして今、私達はロードローラーに乗っています。
人生初のロードローラー!!…全ッ然嬉しくない。
「…あそこは敵の陣地に近いところです。最近、敵の動きは全くありませんが、いつ襲ってくるかわかりませんからね。」
ならロードローラーで来るなよ!!
その黄色い車体は目立つにも程があるだろォォォッ!!!!
てか敵って何!?誰!?
「で、説明してくれるんだろ?いろいろと。」
鳩乃優が雪菜に向かってそう言った。
「はい、もちろんです〜。あ、その前にみくみさん。『アレ』、持ってきました〜?」
『アレ』?何なんだろう…。
皆、みくみ君を見る。
そしてみくみ君は言った。
「…………忘れました。」
ズコンッ
みんなでずっこけた。
「あ、あはは。ま、まあそんなときもありますよね〜。本当は『アレ』があった方が話しやすかったんですけど…。」
だから『アレ』ってなんだ。
そして雪菜はコホン、とわざとらしく咳をした。
「えー…じゃあお話しますね。まずは、この世界が貴方達がいた世界と違うのはお話しましたね?」
――この世にはたくさんの世界があると言われています。
ただ真っ白で何もいない世界や戦いしかない世界、動物が人語を喋る世界などいろいろあります。
それら全ての世界が集まった枠を『大世界』と言います。
その『大世界』の中でも、複数の世界が集まった枠を『輩世界』と言い、独立している世界を『独立世界』と言います。
その分けられた『輩世界』の中、私達の世界と冬美さん達の世界を合わせて『表裏世界』と呼ばれています。
「だーっ!!何言ってるかわかんねー!!」
いきなり鳩乃優が叫んだ。
「一応簡単に説明してますが…。」
「…ハトはバカだからなぁ。」
「またハトをバカにしやがったな!!」
いや、『ハト』をバカにしてるんじゃなくて、『鳩乃優』をバカにしてるんだと思うけど……。
「んー…クラスで例えると、クラス全体が『大世界』、仲良しで集まってる集団が『輩世界』、その中のある集団の名前が『表裏世界』って考えたらわかる?」
表裏世界がイマイチわからないよ!!
「んー…まあ…わからなくもない。」
わかったの!?表裏世界!
「弧羽瀬さん、ありがとうございます〜。」
「いえいえ。ハトがバカでごめんなさいね。」
「バカは余計だ!!しかも誰が説明しろなんて言った!?」
「何だよそれ?こっちは『仕方なく』説明あげたのに…普通感謝の言葉くらいあってもいいんじゃないの?」
「誰も頼んでねーよ!!『仕方なく』ならやらなきゃいーだろ!?」
あー…始まってしまいました、この2人のケンカ。