影の申し子達(旧)
□Seven House、到着。
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「…てか、なんで俺達が創造主に選ばれたの?」
―第四話・Seven House、到着―
お兄が雪菜に聞く。
私も気になる。だってこんな一般人――…いや、まあ他の人より変わってるかもしれませんけども。まあ、とにかく、そんな人達を何故選んだんだろう。
「さあ…?私にもわかりません。」
やっぱりそうかあ……。
「きっとあれだ!創造主がオレ達の秘められた力を見抜いて……。」
何故鳩乃優はそんなキラキラしてるんだよ…。
しかも、それはゲームやマンガならあり得る話であり、それが私達にもあるとは限らない。
…あったらいいけども。
「じゃあ次は『Seven House』についてお話しますね〜。『Seven House』は元々、孤児院だったんです。それがいつの間にか学生寮になり、そして今では青少年部隊の本拠地となりました。だからリーダーと副リーダー以外全員10代です。」
……一気に発展しすぎじゃない!?
そしてまだ二十歳にもなってない人達まで戦わせるって…どういうこと?
「あの小さく見える白っぽいお城が本拠地です。」
みくみ君が進行方向に向かって指を差す。
その方向には小さく、白っぽい建物が見え―――…え、お城?
「お城!?」
「はい、お城ですよ〜。」
「おぉっ!すごい!」
鳩乃優が叫ぶ。
「でもあんなに目立って、大丈夫なの?」
「大丈夫です。セキュリティーシステムは万全です。」
へぇ……それはすごい。
「あと、普段は隠れてます。」
「え!?あの城が隠れるのか!?」
ならなんで今日は隠れてないんだろ?
「皆さんを迎えるためですよ〜。」
「そうだったんだ……ってなんで今、私の心の中わかったの!?まさか雪菜、読心術使えたり…?」
「まさか〜。冬美さん、声に出てるんですよ〜。」
…またやってしまった。
今度こそ気をつけないと………。
「…もうそろそろ着きますよ。」
みくみ君の声を合図に、私達は進行方向を向く。
目の前には大きな城門があり、中には洋風のお城が建っていた。
一度こんなお城に住んでみたかったんだよねーっ♪
でも正直、戦に向いているとは思えない。……まあ、普段は隠れているみたいだけど。
そういえば、最初は孤児院って聞いたけど…まさか最初からお城なわけないし…。まあ、廃城だったところを孤児院としたのかも。
「久々に見ますね〜、この姿〜。」
「本当ですね。はぁ…最初から地下に造ればいいものを……。」
そうだよ。何で最初から地下に――…ん、『最初から』?
「「この城地下に隠れるの(か)!?」」
鳩乃優と発言が被った。
「あら〜?隠れるといえば地下でしょう〜?」
ああ、考えてみれば…隠れるってそれくらいしか…。
「城の色が周りと同じ色になるんじゃないのか!?」
「カメレオンかっ!!」
なら最初からその色にすればいいじゃん!
「ああ!その手がありましたか〜。」
「いやいやいや!どう考えてもダメだろ!!」
地下の方がちゃんと隠れるから!!