影の申し子達(旧)
□城内
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拝啓 母上、父上様
お久しぶりです。仕事の方はどうですか?
現在、私達兄妹と幼なじみは異世界にいます。理由は世界を助けるためだそうです。
しかし、心配しないで下さい。
『私が死んでも、代わりはいるもの。』
…へへっ。一度言ってみたかっただけです。
死にません、生きるから大丈夫です。ちなみにアスカよりレイ派です。
それでは、また。
冬美より
―第五話・城内―
現在、私達は管理室を出て、部屋に案内して貰っています。
雪菜によると、このお城はエレベーター完備の5階建てで中庭があるそうです。
1階が食堂、大浴場、図書館、管理室、医務室など。
2階〜3階がみんなの部屋。
4階が客部屋。
5階はトレーニングルームと地下のときの出入口。
私達の部屋は3階にあるそうです。
「に、してもすげーな!かなり金かかってるだろ?」
鳩乃優が高い天井を見上げながら言った。
「さらにこれが地下に隠れるんだろ?何、政府とかが出したのか?」
「いいえ。みくみ君の家が全額負担ですよ〜?」
…………………え?
「「えぇええぇ!?!?!?」」
いやいやいや!!あり得ない、あり得ないってばっ!!
そして斎さんが喋り出した。
「海波家は金持ちなんだよ。…理由は教えてくれなかったけどね。」
うらやましいっ!いや、今の状況でも満足してるけど!
「で、父親が子供溺愛でね…みくみの姉、みなみが『お城建てて!』って言ったら建っちゃった☆みたいな。」
何が『建っちゃった☆』だよぉぉぉっ!!!!
言っちゃ悪いけどみなみさんもパパさんもおかしいよぉぉぉっ!!!!
絶対あれだ!!服とかうん十万するようなやつ着てるよ絶っっっ対!!!!
「優しいお父さんだな…。オレの親父とは全然違うぜ。」
優しくねぇぇぇっ!!ただの甘やかしだぁぁぁっ!!
「あぁ、一応言っておくと、みなみとみくみは双子だからね。…性格は全然違うけど。」
双子!?性格違うの!?
えーっと、みくみ君はしっかりしてたから…あ、でも忘れ物したから天然か?
じゃあ、みなみさんは…うーん。
「…多分、嫌なタイプだと思うよ。」
「うん、斎さんも充分嫌なタイプですよ☆」
「酷いなぁ…。」
思わず本音が…てへっ。
うーん…あの斎さんさえも苦手なのか…。相当嫌なんだね…。