影の申し子達(旧)
□夏に来た秋
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皆さんこんにちは。
前回のお話でお兄に下着を見られた冬美です。
…そこで皆さんにお願いです。どうか、どうか、
この件について何も言わないで下さい。
忘れさせて下さい。お願いします。
―第六話・夏に来た秋―
「ごめんってばぁ……。」
お兄が泣いてますけど、知りません。
あのあと、散々叩きまくっておろしてもらいました。
おかげでさ、
「冬美さん、大胆ですねっ☆」
って雪菜に言われました…。めっちゃ恥ずかしいです。何故今日はスパッツ履かなかったんだ、自分…!
「…黒、って何が?」
鳩乃優は本当バカで良かったです。そのまま気付くな。そして忘れろ。
「…君、本当にわからないのかい?」
斎さん、何も言わないで…!
「あぁ、わからない。」
「…言ったら殺されそうだから言わないね…。」
殺されそう?ええ、言ったら殺害しますよ。
そのとき、
「あっれー?雪菜と朝霧ー?」
後ろから声が聞こえた。
後ろを振り向くと、黒と茶色混じりの髪に青い瞳の、赤い服にオレンジのワンピースを着た派手な女の人がいた。
喋り方的に…ちょっとギャルかな?
「あれ、その子達だーれー?」
私達を見ながらそう言った。
「あ、もみじさん。皆さんは『影の世界』の方ですよ。」
「…あぁ!あの本に書いてあったやつ?マジで来ちゃったんだー。あ、私は秋葉もみじ(アキバモミジ)!」
「あ、私は南野冬美です。銀髪のコイツが五月女鳩乃優で、青髪の泣いてるやつが南野弧羽瀬。」
「そっかそっか。うん、よろしくねー。」
泣いてることには何も言わないのね!?あぁ…ボケかも、この人…。