影の申し子達(旧)
□Seven House、到着。
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城門をくぐり、私達が乗っているロードローラーは城の目の前で止まった。
「はい、着きましたよ〜。」
私達はロードローラーから降りた。
「それでは、ボクはロードローラーを車庫に入れてきますので、後ほど。」
ロードローラー入れられるくらいの車庫あるんだ!!……ってお城だからそれくらいあってもおかしくないか。
「また乗せろよな!」
鳩乃優がみくみ君に言った。
「はい!もちろんです!」
みくみ君が喜んだ顔してそう返した。
入口らしき扉は階段を数十段上がったところにあった。
「…えー…これ上るのー…?」
はい、私、実は体力がありません。いや、人並みくらいのはずなんですが……。
「何言ってんだよ。こんなちょっとの階段だぜ?」
いや、お前は慣れてんだろ。宿題忘れて罰として、1階から屋上まで階段上り下り往復50回やらされてるもんな!
「…本当は抱えて運んであげたいけど…これは冬美への試練……。ここは心を厳しくして…。」
階段数十段だけで試練かよ!?今まで人生苦労してきた人泣くよ!?いや、むしろ怒るよ!?てかお兄は大袈裟すぎるんだよ!
あと抱えられるとか絶っ対嫌!!
てか、お兄もお兄で運動出来るから簡単なんだろ!けっ!
「上れますよ!上れるけど、私はお前らほど体力があるわけじゃないんだよ!!」
「あ、待てよ!」
「ごめんっ!だから待ってよ!」
2人が私のあとを追いかけてきた。
体力?もう知らない、さっさと上る。
すると突然、
「冬美さん!!止まって!!!」
うわわわわわっ!!!
雪菜が突然叫んだので反射的に戻ろうとあげかけた右足を後ろにしてしまったらしい。
でも下げた右足がつくはずの場所が思っていた位置より低く、変な形でついてしまった。
おかげでちゃんと立てずに―――…
「「冬美っ!!」」
落ちる――…!!
お城の扉が遠ざかっていく。
私は次に来る痛みを覚悟した。
――――――…ぽふっ。
…………あれ?
痛みはない。代わりに暖かいものが私を支えていた。
「…あっぶな。」
後ろを振り向くと、鳩乃優が支えてくれていたことがわかった。
「大丈夫か?…ったく、気をつけろよな。」
「あ、ありがとう…。」
しかし、『アイツ』が黙っているわけがなく…………。
「冬美から離れろぉぉぉっ!!」
「げっ!」
お兄がかけ上がってきた。
「ちょっ………お前の妹を助けたんだぞ!?普通お礼じゃないのか!?」
鳩乃優が逃げる。
私を引っ張って。
いや、引っ張る必要ないでしょ!てか、変な形で足ついたおかげで歩くの痛い!
そして、下から来ているお兄から逃げているわけなので、上に向かおうとしていた。
「あ、鳩乃優さん、止まっt『ビーーッ!!ビーーッ!!』
雪菜が私を大声張り上げて止めたのに、無駄になりました。
突然鳴った音に2人はびっくりして止まった。