S.SHORT

□あの雨の日に
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「神楽ちゃん。今日もですか」
「ガキは雨など嵐など台風とかが好きなんだよ」




季節は梅雨。
毎日、雨が降り続いていた。
銀ちゃんに貰ったカワイイ傘持って。
今日も外に出掛けよう。


ぶらんこのって、鏡を覗いてカワイイ自分と傘を見てみたり。アネゴと沢山お話したり。


そんな数日が続いた今日。
いつもと同じ通りアネゴの家に行ったあと、スキップしながらうちに帰っていた。




「……あ」

「…げ、チャイナじゃねーか」

会ってしまった。嫌なやつに。今日は仕事休みなのか隊服を着ていない。


「なんでテメーがここにいんだヨ」


「…散歩に決まってんじゃねーかぃ。こちとらせっかくの休みに雨降ってきて憂鬱なんだよ」

「そりゃ良かったアル。お前が休みの日はずっと雨が降ってることを私は心から祈ってあげるアル」


「わーった。俺はお前が一日でも早く死ぬようにお日さんガンガン照らしてくれ、って祈ってまさァ」


そんな憎まれ口を叩きながら私はコイツの横を通り過ぎようとした。

そしたら、


「あれ、お前いつもの番傘じゃねーのか」


…サドに言われ振り返る。


「そうアル!銀ちゃんがくれたネ!!似合ってるだロ!?ひざまつけ!!」

「テメーは何様でィ。なんで傘変えられただけでひざまつかなきゃいけねーのか俺には皆目見当がつかねーよ。」


ま、コイツを無視して万事屋に戻ろう。
さすがに身体が冷えてきた。


「俺は、いつもの傘さしてるお前のが好きですけどねェ。じゃ、俺、帰りまさァ」


急に言われた一言と、頭に手をぽん、とおかれなにかが頭の上に乗っかる感覚。
あいつが立ち去ったあと、頭を触るとハンカチが乗せてあった。


「……え、これをどーしろと」



とりあえず、私はこのハンカチで顔を拭くふりをして赤くなった顔を隠した。



雨、晴にも勝るときがある
(お帰りなさい、神楽ちゃ…、って風邪ひいた!?顔赤いよ!?(な、なんでもないアル!!黙れダメガネ!!)(メガネ関係無いよね!?!?)
 

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