TEXT稲妻4

□log
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私はどちらかというと夏よりも冬が好き。つまり暑いのより寒いのが好き。当然そしたら熱さより冷たさのほうがいいし、熱血な人よりもクールな人のほうが好みだと思う。それはもしかしたらずっと憧れで頼れる人で、憎いくらい大好きだったお兄ちゃんに影響されているのかもしれない。とにもかくにも、私が今まで好きになった人たちは、揃いも揃ってみんな一匹狼の印象があった。
それがどうして。なんで私は今こんなにどきどきしているの。彼は全然クールじゃない、寧ろ熱血って言葉を人間にしたような、そんな人なのに。木野先輩も夏美さんも彼が好きで、私はそんな二人をほほえましく見ているだけだったのに、なのにどうして私は。

キャプテンに名前を呼ばれる。ただそれだけのことがこんなに嬉しいだなんて知らなかった。目が合うだけで心臓がきゅっとなって、手がふれあうだけで頬が熱くなって、笑いかけてくれるだけで胸が痛くなる。全然タイプじゃないのに、だけど私は気付いてしまった。ああ、これが恋の病。


「春奈?」
「キャプテン……ごめんなさい」
「なんで謝るんだ?」
「木野先輩たちに申し訳なくて…」
「なにがだよ?」
「貴方を独占してることが」
「逆だろ?それなら俺が鬼道に謝らなくちゃ」


にしし、と笑って私を抱きしめたキャプテンの腕は暖かかった。やっぱり申し訳ないなあ。優しい木野先輩たちはきっと「おめでとう。」って許してくれる。けどどうしたってこのもやもやは消えない。
わかってはいるけど、それでもこの温もりを手放せない私が、一番愚かだって知っている。


「キャプテン」
「言わないでいいよ、春奈」
「言わせてください」






大好きなんです。
世界でいちばん、
貴方のことが。





円春さいこーすぎて涙が止まらない。吹春も源春も捨て難いから、とりあえず春奈受け最高ってことで。






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