Soul Gray
□死と生
1ページ/5ページ
あぁ、堕ちていく。
ゴポゴポと音を立てて、
水の中へ落ちていく感触がする。
気泡があがっていく。
空気はどんどんと上へ上がっていく。
吐き出す空気も泡となり、
空へとあがっていった。
気付いて…
気付いて、アスナ
誰かが呼んでいる。
上から声がする。
―――――誰か、いるの…?
いつだって、そばにいるよ
―――――…だれ…?
君を最も知ってる男…かな
『アスナ、目を開けてくれ…っ』
遠くから声がする。
この人の声と違う…
お父さんの声がする。
さぁ、おゆき
暖かい手に引かれて、
冷たい水の底から上げられた。
第09夜 死と生
→