★Real HOSU sanctuary★

□A sparkling firework
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あのスニーカー、まだ持ってたんだな…しかもまだ履いてるなんて…



クローゼットの奥から靴箱を引っ張り出す。



久しぶりに開けたその箱の中には、ほとんど履かずに仕舞っておいたスニーカーが入っていた。



今、ジュンスが履いていたのと同じスニーカー。



ジュンスに恋をしていることを、藻掻きながらも自分で認めた証拠の品だった。



そのスニーカーを手にしてジュンスの元に戻る。



「ごめん、お待たせ」



「ううん、大丈夫だよ」



持ってきたスニーカーを履いているとジュンスもさすがに気付いたようで、自分の履いているスニーカーと見比べていた。



「あれ?同じ?」



スニーカーを掃き終わり、ドアを開けながら(うん、そうかな?)となんとなく恥ずかしくて言葉を濁す。



その時(ドーン!)と腹の奥にまで響く大きな音がした。



ジュンスがビクっと肩を震わせ、俺の腕を掴む。



近くの河原で打ち上げられている花火だった。



「…びっくりした〜、花火かぁ…でも音だけで見えないね」



「近くまで行ってみるか?急ぎの買い物はなさそうだし(笑)」



ジュンスは嬉しそうに(うん)と笑った。



歩くには少し距離があるので、普段は滅多に乗らない自転車を引っ張り出しジュンスを後ろに乗せる。



少し遠慮するように俺の背中に置かれた小さな手を取り、自分の腰に回させた。



「しっかり掴まってろ。…大丈夫、誰も変だなんて思わないよ」



ジュンスは小さく頷くと、頬を俺の背中に寄せた。
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