★Real HOSU sanctuary★
□A waning moom
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「ね、ユノ兄…月…」
「月?」
「うん、すごくキレイな半月だよ」
ジュンスに言われて窓を見上げると、下弦の月が青白く光っていた。
ジュンスは愛し合った後、裸のままベッドの端に座りその月を見上げている。
その横顔を見つめていると、ジュンスの瞳から、瞬きをした瞬間に涙が零れ落ちた。
「ジュンス?」
ジュンスは涙を手の甲で拭いながら俺を振り返り、小さく微笑んで言う。
「ううん、なんでもないよ。去年のこと思い出してただけ」
「去年?何かあった?」
「…うん…去年の今頃、僕、ユノ兄の事をあきらめようって思ってたんだ…」
窓に視線を戻し、夢の中にいるような憂鬱そうな瞳でまた月を見上げる。
「同性で付き合うって事がどういう事かよくわかってなかったけど、1年以上想っててもどうにもならないって事は、
ダメって事なんだなって思って…」
「ジュンス…」
「ユノ兄は、僕を想ってくれていたけど、僕と付き合おうって思ってなかったって言ってたよね?」
「ああ、まったく想像できなかったな」
「僕はね、想ってるだけじゃ満足できなかった。ユノ兄の唇や指を見るたびに、触れたくて、触れてほしくて堪らなかったんだ。
それが叶わないならあきらめようって…」
そう言って目を伏せたジュンスを横から抱き込み、こめかみにキスを落とした。
ジュンスが俺を見つめ、俺の唇に人差し指で触れる。
「絶対に…触れられないって思ってた…」
「俺は全部…お前のものだよ」
「うん、今はホントに幸せだよ。その頃ね、日本で聴いた曲がその時の僕の気持ちにぴったりハマってて、
よく月を見上げながらその曲を聴いて泣いてたなぁ(笑)」