★Real HOSU sanctuary★
□Lovesickness
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「頼みがあるんだけど…」
ジェジュンやユチョンと違って、普段、マネージャーに我侭を言わない俺は、きっと願いを聞き入れてくれると確信を持って切り出した。
「なんだ、ユノ?」
「うん…来週からの日本行き、2日早く前乗りしちゃダメかな?」
「…オフだし構わないが…女じゃないだろうな?」
「まさか!彼女なんていないよ。ジュンスの撮影、目処がついただろ?1人でオフを過ごさせるのも可哀想だし、俺以外はこっちでスケジュールあるから、俺くらいは早く行ってやろうかなと思って…」
「お前は本当にジュンスのいい兄貴だな(笑)精神的に大変だったらしいから、せいぜい甘やかせてやってくれ。便の手配はこっちでするから、時間決めとけよ」
俺とジュンスの事を何も知らないマネージャーは、そう言って俺の頭をくしゃっと撫でた。
嘘をつくのは心苦しかったが、お互いにオフだというのに逢わない理由なんてない。
昨晩、日本で映画の撮影に挑んでいたジュンスから興奮気味に電話があった。
『ユノ兄?あと少しで撮影終わりそうなんだ。多分、今の感じだと予備日が2日だけ残りそう!』
「ジュンス対策」と呼ばれた予備日を12日も使ったが、他の出演者やスタッフのスケジュールを乱すことなく撮影が終われそうだという事だった。
今回、ジュンスに日本人役のオファーがあり、言葉の問題だけでなく初めての演技にジュンスは本当に苦労し、傷つき…そして、いろいろなものを吸収したんだと思う。
俺が思っていた以上にジュンスは強かった。
弱くて子供で、俺が守ってやらなくちゃと思っていたが、それは俺の思い上がりで、ジュンスは1人でも頑張ってすばらしい成果をあげていた。
でも、それが解っても俺達は何も変わらない。
それでいいんだと思う。
俺はいつまでも粋がって「お前を守ってやる」と驕り、ジュンスはきっと甘えたふりをしてくれるだろう。
そんな姿が、俺たちにはきっと似合ってる。