★Real HOSU sanctuary★
□Gentle words
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「降ってきたな…」
何も話さず、ただ身体を寄せ合って2人で窓を見上げていた。
別室の小さな窓から見える雨は薄暗く、冷たい。
「なぁジュンス…」
「なぁに?」
情事のあと、頭も身体も力が入らないままユノ兄に凭れていた。
「お前、『愛してる』ってあんまり言わないけど、そういうのイヤか?」
「え?」
「ん…ベッドの中じゃ言うときあるけど、普段は言わないだろ?」
「だって…恥ずかしいから…でも…でも…」
「俺が言うのもイヤじゃない?」
「もちろん、うれしいよ」
「そっか…ならいいよ。言葉に出してほしくないっていう人もいるからさ…」
そう言って窓を見上げたユノ兄は、少しだけ寂しそうに笑った。
ユノ兄の身体に腕を回して抱きしめる。
「ちゃんと…ちゃんと好きだから…」
「ああ、わかってる」
(キスしてほしい…)
そう願ったけど、今日は伝わらなかったみたいだ。
ユノ兄は(少し寝よう?)と言って、僕の肩を抱き寄せる。
2月の雨は冷たくて、ユノ兄にしっかりしがみついて僕も眠りに就いた。
急にそんな事を言い出したユノ兄に違和感を感じながら…