★Real HOSU sanctuary★
□The moon gleaming on the water
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「ジュンス、こないだの埋め合わせに何かプレゼントしたいから、欲しいもの考えといて?ほんとはどこか連れてってやりたいけど…ごめんな」
いつものようにユノ兄の腕の中でまどろんでいると、背中から柔らかい声が降る。
ユノ兄と僕は付き合い始めて1年が過ぎた。
その1周年の記念日、ユノ兄は昔の彼女からのSOSで出かけ、僕はここへ残された。
(友達だから)
ユノ兄のその言葉を信じたいのに、不安に苛まれた夜。
それでも離れられない。
結局のところ僕はユノ兄が好きだ。
事実がどうだとか、信じるとか信じないとか関係ない。
ユノ兄と一緒にいたい…ただそれだけ。
「もう、いいよ(笑)シャツとエプロンもらったし、料理も食べてくれたじゃん」
「ん…でもさ…反省してるから、その気持ちだよ」
「もう頑固だなぁ(笑)ホントにいいのに。…じゃあさ、あれが欲しい(笑)」
僕は別室の小さな窓から見える月を指差して言った。
無理難題を言えばきっとあきらめてくれるだろうと思ったからだ。
「月?(笑)」
「うん、あれがいい(笑)」
さすがにユノ兄も笑った。
物なんかいらない。
今、一緒にいるこの時間が何よりのプレゼントだから。