★Petit sanctuary★

□TARANTALLEGRA
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「お・・・おまっ・・・なんちゅう格好で帰ってくんだよ?!」




ひとっ風呂浴びて寛いでいると、ジュンスがフルメイクで衣装のまま帰宅した。




「あ、ひど。みんながセクシーだって言ってくれるからユノ兄にも見せようと思ってそのまま帰ってきたのに!(怒)」




シースルーのインナーに羽根を背負ったジュンスは、濃いアイメイクで別人のようだった。




「セクシーねぇ・・・」




腕組みして下から舐めるように見上げると、ジュンスは恥ずかしいのか(もう知らない!)と洗面所に向かう。




メイクはない方が好みだが、編み目の隙間から赤い実が覗く姿は悪くない。




洗面所で背中を向けて衣装を脱ぎかけていたジュンスの手を制する。




「え?」




驚いて顔を上げたジュンスの頬には、アイラインで汚れた黒い涙が伝っていた。




「・・・バカ(笑)泣くことないだろ?」




「だって・・・一生懸命・・・やったし・・・みんな・・・が・・・褒めてくれ・・・た・・・から・・・うぇ・・・」




そのまま抱き寄せ、(ごめん、ごめん)と髪を撫でると、ジュンスは照れ隠しか、(せめてウケるかと思ったのに)と頬を膨らました。




「メイクは崩れちゃったから、まず落とせ。衣装は・・・俺が脱がしてやるから(笑)」




そう言うと、ジュンスは(バーカ)と笑ってクレンジングを手に取った。




先にリビングに戻って待っていると、遅れて派手な衣装に地味な顔をしたジュンスが戻る。




「改めて見ると・・・意外に似合ってるな(笑)ブーツ、カッコイイよ」




「意外は余計!(笑)」




そう言って、ジュンスはソファに座っていた俺の膝に飛び乗った。
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