★Petit sanctuary★
□Case of New Year's Day
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ユノ兄がお湯を張ってくれていたので、急いで身体を洗って湯船に飛び込む。
「はぁ〜終わっちゃった〜」
準備は大変だったけど、やっぱりライブは最高!
「ふあああぁぁぁ」
おっさんみたいな声で大きな安堵のため息をひとつついて鼻までお湯に潜る。
「ぶはっ・・・あれ?」
浴室のドアを見ると、さっきも少し隙間が開いていて閉めたばかりなのにまた開いている。
(建付けが悪いのかな?)
そう思って再び閉めに行くと、腿の高さに視線を感じた。
そうっと視線を下すと・・・
「ひぃっ!」
5センチほどの暗闇の隙間からアーモンド型の瞳が覗いていた。
ドアを勢いよく引くと、そこには四つん這いになったユノ兄が半裸でドアの枠にへばりついている。
「な、なにやってんの!?」
「ジュンス・・・ハダカ・・・ミタイ・・・」
「なんで片言!?」
ユノ兄は今にも泣きそうなへの字口で1点を見つめていた。
「きゃーーーーーっ!」
ユノ兄の視線の先にあるものに気付いて、勢いよくドアを閉める。
閉まる瞬間ユノ兄の手が見えたのも、ドアの向こうでうめき声が聞こえたのも無視して湯船に再び飛び込んだ。
駄目だ、今日のユノ兄は尋常じゃない。