* B o o k *
□くすぐったい
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「カイジさん…?」
肩に手が触れる。
馬鹿みたいに安心して涙が出た。
情けない…くそ!くそ!
「どうしたの?こっち向いてよ。」
優し過ぎる声と言葉が、悔しいくらい温かい。
意地を張る余裕なんか無くて振り返り様アカギに抱き付いた。
「あらら…素直。」
「ぅ…ぐっ…アカギぃ…」
よしよし、と頭を撫でられると、またじわっとアカギのシャツに涙が染みる。
「ほら、鼻かんで。」
ティッシュを強引に押しつけられ、片方の鼻を塞がれたので、ちん…鼻を鳴らして鼻水を拭いて貰う。左右で同じことを繰り返すと、少し鼻の通りが良くなった。
頭を抱え込むように再び抱きよせられると、アカギの胸元とオレの耳がぴたっとくっついて心音と血流の音が聞こえた。
ぽん…ぽん…と背中を叩いて貰っているうちにすっかり落ち着いたオレは、またいつの間にか眠りについた。
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