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□君依存症
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君のその下を向いた時の顔が好きだ

君が奏でるシャーペンと紙が擦れる音が好きだ

君の何もかもが好き、言うならばオレは『君依存症』

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カチカチと時計が一秒一秒を正確に狂うことなく動く音とシャーペンと紙が擦れる音のみが部屋に響く。

オレとアリスはただ明日の数字のワーク提出のためにワークを開き向かいあって問題を解いていた。

昔から勉強ばかりしていたおかげかオレのワークは赤丸ばかりが答え合わせをするたびに刻まれ因数分解が今のところパーフェクトだと思ったとき、

「わからん」

とアリスがつぶやいた。


「χの二乗マイナス4プラス4?フンッ…勝手に言ってろとしか言えんな。
こんな問題よく考えられるな…このワークを作った奴は頭が数字で構成された奴かそれか暇人かSだな」

「・・・」

目の前にいる黒髪の長い見た目可愛らしいアリスは可愛さに似合わない言葉を吐いてワークに落書きを始めた。

まぁアリスがわからないのも無理はない、なんてったって彼女は一時期入院していたのだから授業を受けていないのだ。


だからこうしてわざわざ一緒に勉強して教えようとしているのに…

オレは気づかれないようにため息をついてから突っ伏しているアリスに言った。


「どこがわからないの?」

「全部」

・・・どうやら彼女には1から10まで教え込まないといけないらしい、オレは立ち上がり参考書を本棚から出してアリスの前に置きニコッと笑ってみせた。
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