Singing voice

□6.悲シミノ記憶
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大事な夢の話。

キミやオレが闇に染まり出す前の・・・

遠い遠い記憶。

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香月 美冬

日向 ネジ

────三歳。

『ほら美冬、隠れていてはネジくんに失礼だよ』

『は、はい・・・!』

ひょっこりと父親の後ろに隠れていた美冬が姿を現す。

顔を赤くしながら礼をする美冬は愛らしかった。

『は・・・はじめまして。香月 美冬です』

『日向 ネジです。はじめまして美冬さん!』

顔を赤くする彼女にネジは優しく微笑むとそれを見た彼女も笑った。

『ん?あれは…ナギサキ!』

『『?』』

ナギサキと呼ばれる男は走ってこちらに来る。

『ナギサキさん』

ネジは笑顔で名を呼んだ。

『やぁネジくん、ヒザシさん。…おや?そちらの方は香月一族の…娘さんですか?』

『娘の美冬です。ナギサキくんも今年で13歳だったかな?』

『はい、お陰さまで』


そんな話を香月 アキトと日向 ナギサキがしている最中ヒザシは言った。

『ネジ、美冬ちゃんと遊んでおいで』

『父上は?』

『私は美冬ちゃんのお父さんと話をしているよ』

『はい、行こう美冬さん』

『うんっ』

二人は仲良く並んで歩き出した。


**日向の森**

『わぁ…綺麗な森…』

『美冬さんは自然が好きなんですか?』

『はい、こんな素敵な場所で歌うのは大好きです』

『歌?』

『はいっ。香月は歌を歌う忍術を使うんです。私はもとから歌うことが大好きなんです//!』

照れくさそうに美冬は言った。

『歌いませんか?』

『えっ?………はい!』

笑顔で美冬は頷いた。

『『“冷たきあなたの手をそっと包み笑いましょう
冷えた心を温めて荒れ地に花を咲かせましょう
愛を、愛をください
芽吹きの光が降り注ぐ、高原に天使が舞い降りる
透明な世界を歌いましょう”』』

綺麗な声が森に響いた。


二人が仲良くなるのに時間はそうかからなかった。
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