Singing voice
□7.彼女の道
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目が覚めたオレの前に彼女はいなかった。
彼女の歌を聞いてもすぐに起きることは可能だった。
だが・・・何故だか出来なかった。
美冬を止められなかった。
ふと最後に彼女が歌っていた歌を思い出す。
・・・あの旋律・・・確か・・・
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『ネジ、自分で歌を作ってみない?』
彼女は突然そう言った。
『いいよ、でも何の?』
『合作だよ!曲はあるけどなんとなくネジと歌詞を付けたくて^^』
オレがあいつの頼みを断れるわけがない。
もちろん承諾した・・・それからすぐに、恨まれるようになった。
歌詞がまだ出来ていないまま。
そうか、出来たのか・・・
オレはまだ出来ていないまま、何を伝えたらいいかわからなくて。
だが、眠ってる間に思い付いた。
地面に寝そべったままの身体を起こす。
伝えなければ。
逃げていた、あいつから。
オレはすぐに火影室に向かった・・・
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「香月 美冬だけではなくうちはサスケも今里を抜けたと報告があった」
綱手の一言にネジも気づいた。
同じ復讐者・・・まさか・・・
「音隠れに・・・」
何も言わずに綱手は頷いた。
「サスケを追えば美冬も見つかる、すぐにシカマルを呼ぶからお前は日向に一度戻れ」
シカマル・・・確かあれから中忍になったとは聞いたが・・・
しかし今はそんなことはどうでもいい。
「わかりました」
ネジは日向に向かった。