真紅色の育成日記

□ベーカリーKASHIWA
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「あ、今日閉店までバイトだ」


「バイト?」


 きっかけはこんな会話からだった。


 アッシュが俺の家に来て数日経った。最初の方は勝手が違い色々と苦労していたアッシュだが、今では何でもこなせるようになった。子供の適用能力の高さに流石の俺も驚いた。


 昨日で大学も冬休みに入り、アッシュと一緒にこたつにみかんと言う昔ながら格好でテレビを見ていたときにふと思い出した。確か、午後の2時から10時までだった気がする。


(けど、アッシュをどうするかな)


 大学とかでアッシュを留守番させた事はあるが、それは昼だけだし、バイトも長くて7時位までだった。流石に10時まで留守番させるのは心配である。


「柏原さんに相談してみるか」


 柏原さんはバイト先の店長の名前。柏原さんには子供がいるから、相談すればバイト先に連れてきても良いと言われるかもしれない。


「そうと決まったら、さっそく電話だ」


 俺は携帯を取り出すと、電話帳から柏原さんの名前を引っ張り出し、電話をかけるのであった。



 
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