桜の記憶

□お願い
1ページ/1ページ




お願い


(8話の後)
※会話のみ


「ねぇ、都筑」


「なんですか?」


「なんで、都筑は俺のことを麻ちゃんって呼んでくれないの」

「ぶっ(みかんを吐き出しそうになる)」


「わ!」


「げほげほ。い、いきなりなに言うんですか!?」


「いや、だってこの学校では先生の事を徒名なんかで呼ぶのが普通だって聞いてたから」


「まぁ、そうですけど……」


「じゃあ、なんで?」


「なんでと聞かれましても」


(抵抗あるんだよね〜。先生を麻ちゃんって呼ぶのに)


「……麻ちゃんって呼ばなきゃダメですか?」


「えっ! あの、その……(上目使いは反則だよ!!)」


「そのせいで地球が滅亡しても良いというなら、呼びますけど」


「……それは大袈裟じゃない?」


「いや、俺が徒名で人を呼ぶなんてその人を軽蔑しているのと同じですから」


「は、はぁ」


「う〜ん。せめて名前ならこんなにも悩まないんですけど」


「名前? そうだ! それいいね」


「へ?」


「麻ちゃんって呼ばなくて良いから、俺の事は名前で呼んで」

「えっと……麻斗先生、ですか?」


「麻斗で良いよ」


「麻斗」


「なに?」


「お、俺の事も雅斗って呼んで下さい」


「いいの?」


「俺、名字で呼ばれるのあまり好きじゃないから、その方が嬉しいです」


「分かった。今度から雅斗って呼ぶね」


「はい(微笑む)」


「そ、それじゃ、速くみかん片付けちゃお」


「うん」


「レッツ、ファイト!!」


以上、みかんが食べ終わる30分前の会話でした。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ