桜の記憶
□目撃者
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目撃者
麻斗と密の所に同居してから数週間が経った。なんだかんだ言って麻斗達とは打ち解ける事は出来た。
……まあ、まだ麻斗達が死神だって本人からは聞いてないし俺も俺で死神代行って事を黙ってるけど。
「おっはよ〜雅斗!!」
「ふべっ!!」
そしてある朝。学校に行った俺を待ってたのはやけに機嫌の良い歩だった。その歩に突き飛ばされた俺は打った腰をさすりながら歩を見上げる。
「いっつつ……どうした歩。朝からやけに元気じゃん」
歩はいつも遅刻寸前に来ることで有名だ。なのに、今日は日直で早めに登校している俺よりも早い。
「明日は槍でも降るのか……」
「ん? なんか言ったか?」
「いや、独り言」
「まぁ、いいけど……それよりビックニュース!! 化け物に遭遇したって奴が、うちのクラスにも出たぞ」