桜の記憶

□秘密
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秘密


 俺が麻斗達の家に同居するって決まった次の日。丁度、休日だったのでその日に荷物を移動させようという事になった。


 寝坊したうえに着替えに戸惑ってしまった俺は急いで荷物を持って集合場所に指定された公園向かった。きょろきょろと辺りを見回しながらベンチに座っていた麻斗を見つけた俺は彼に声を掛ける。


「麻斗。遅くなってごめん」


 麻斗は俺の姿を見た途端、首を傾げた。


「雅斗……だよね」


「あ、そういえばこの格好で麻斗と会うのは初めてだったよな」


 俺は自分の服装を見る。今の俺の服はフワモコの白いセーターにレースがついた膝上のスカート。何処からどう見ても女にしか見えないだろう。苦笑しつつ俺は口を開く。


「これには訳があって……学校以外では女装してないといけないんだ」


「訳?」


「あ〜、それは密のいるところで話すよ。二度手間になるのは嫌だから」


 そう言うと「分かった」と麻斗は頷いてくれた。この話すると長くなるから何度も話したくなかったし助かった。


「それじゃ、行こっか」


「はい」


 と言うことで、俺達は麻斗達が住んでいるマンションへと向かった。




 
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