桜の記憶
□出逢い
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出逢い
次の日、急遽全校集会が開催された。内容は、新しい職員と生徒の紹介。つまり、召喚課の二人がこの学校の敷地に来たのだ。
ちなみに俺の高校は、今時珍しい男子高。だからキャーキャー言う女子がいなくて楽だ。と思っていたが、考えが甘かった。
俺が歩と体育館に行くさい。なぜか、あちこちから嬉しそうな声が上がってるのだ。
「……なぁ、歩」
「ん?」
「なんで野郎が来るだけなのに、こんなに学校が色めき立ってるんだ?」
俺が不思議そうに言うと、歩は一瞬驚いた後。ダメだなと言いながら、俺の肩に手を掛けてきた。
「今日来る二人は、噂によるとどっちも可愛い系なんだとよ。 この学校は、カッコイイ系が多いくせに可愛い系がいない。 つまり、我が校とって今日の二人がアイドル。いいや姫になるかもしれないんだ。色めき立つのは当たり前だろ」
「……」
かわいそ。今日来る二人。
俺は密かに召還課の二人に同情した。