桜の記憶
□アイディア
2ページ/5ページ
「分かりました。そしたらいつ頃こっちに?」
『3日後に行くと伝えて下さい』
「分かりました。それでは」
電話を切った俺はみかんを食べている担任を見た。
「……先生。先に謝っときます」
「ふぇ?」
「実はこの学校に、臨時養護教員として一貴さんが来るそうです」
「ぶっ」
俺が言った瞬間、先生はみかんを吹き出した。俺は慌てて都筑先生から離れる。制服にみかんの汁が飛ぶところだった。
「なにするんですか!!」
「だ、だって〜」
グスリと涙目の先生に俺は溜め息をついた。
まぁ、とうぶん会わないと思ってた奴が急に来るって聞いたら驚くのは当たり前か。
「それで、相談なんですけど……暫くの間、俺を先生の家に泊めてくれませんか?」