桜の記憶
□笑顔
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「えっと〜」
黒崎の剣幕に押されて涙目になっている麻斗の肩を俺は叩く。これ以上、麻斗に説得させても無理だと思うし。
「麻斗、俺から訳を話すよ」
「お願い雅斗〜」
ぎゅーっと抱き付いてきた麻斗の背中をポンポンと撫でた。なんだか、どっちが年上なんだが分かんなくなってきた。
麻斗のばれないように溜め息を吐くと黒崎にさっきの事を簡単に話した。黒崎は一貴さんの名前を聞いた途端、殺気を放ったのは仕方ないだろう。
俺の話を聞いた黒崎は黙り込んでしまった。やっぱり、一貴さんと関わりがある奴とは居たくないのか。もし黒崎が駄目だと言ったら歩辺りに泊めて貰おうかなと考えていると黒崎が俺を見る。
「まぁ、お前が同居して損はないだろ。その変わり変な事をしたら即刻、叩き出すからな」
「え!? 俺、一緒に住んで良いの?」
予想外の返答に俺は目を丸くした。だってあの黒崎が良いって言うとは思ってなかったし。
表情に出たんだろう。黒崎が俺の事をすごい目で睨んできます。マジ怖い。