砂漠の文

□気付き始める感情
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一体どうしてこんな感情が芽生えたのか分からない。

該当する出来事、要因、きっかけ・・・どれを探しても全くない。


だがおれは確実に
あいつを求めてしまっていた・・・








インペルダウンから脱獄した軍船の上。クロコダイルはその一番広い部屋でぼんやりと葉巻を吸っていた。マリンフォードにつくまでまで、白ひげを倒す三段でも立てようとおもったのだが・・・。



(なんで麦わらが出る・・・)



さっきからちらつく麦わらのルフィの顔が、クロコダイルの思考を邪魔していた。
アラバスタでやられてから、クロコダイルはルフィのことばかり考えるようになってしまった。今までインペルダウンにいた時はおぼろであったが、再び出会った今では頻繁に、それこそ四六時中と言ってもいいくらい、頭が彼の存在に支配されてしまっていた。



(何でおれがあんな餓鬼に・・・!)



「っありえねえ・・・」



ため息をつきつつ、布団に顔を埋めた。途端、今一番会いたくない顔が部屋に入ってきた。



「鰐ーー!いるかーー??」



悩みの元凶、モンキー・D・ルフィその人であった。クロコダイルはうんざりしながらそちらを向いた。



「なんだ、いるなら返事しろ。」



「うるせぇ消えろ。」



今は目の前の男のことを考えたくなかった。クロコダイルはすぐに布団を被り、無視を決め込もうとした。しかし、布団はいきなりクロコダイルから離れて宙を舞った。



「っテメェ!なにしやがる!!」



「邪魔だから取った。」



「ふざけんじゃねぇ!一体なにしに来た!!」



起き上がって怒鳴る。ルフィは悪びれもなく、クロコダイルの上に乗っかって笑った。




「おれはお前を抱きにきた!」




・・・




一瞬思考が停止した。



(なんだ?こいつは、何を、言った?)



「おーい鰐〜?」



首を傾げながら自分の頬をペシペシと叩く、自分より一回り若い青年を見つめた。ルフィは呆気に取られているクロコダイルに再び笑いかける。



「返事が無いならやるぞ?」
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