10000企画作品
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マクヨ様へ、ゲームのホムマツで、タッグバトルの敗戦後
題:守るモノ
しっかり晴れた日の夜。アジトの執務室で、マグマ団リーダー、マツブサは、疲れ切った顔で座っていた。
「はぁ…」
もう何度目か分からないため息…。昼、トクサネシティの宇宙センターで、見事にやられてしまったことが頭に浮かぶ。
(あの子ども…どれだけ実力があるんだ…。)
自分の一番信頼できる部下であるホムラとタッグを組んで戦ったのに、ほぼ全員…否、全てのポケモンを、あの青年ではなく、彼女に倒されてしまった。そして彼女は、マツブサの言葉を聞いて、悲しそうに言葉を紡いだ。
「大地は…ううん、自然って言うのは増やすものじゃなく、守っていくものだよ…貴方ならわかるでしょ?」
彼女の言葉は何故か、マツブサの心に突き刺さった。確かに最初はそうだった。何処でネジ曲がったのか…そんな気持ちが溢れ出した。
同時に過ちに気づき、酷く落ち込んだ。
「…っ」
考える度に、苦しくなる。罪の重さに耐え切れなくなる。胸をぎゅっと抑えた。同時に、慌ただしく誰かが近づいた。
「マツブサ様!マツブサ様!!」
「…なんだ?」
慌てて入ってきた部下に、悟られるまいと表情を戻して語りかける。部下は隠した表情に気付かないまま、青ざめた表情でマツブサの前に立つ。
「ほ、ホムラ様が…!」
「ホムラが、どうした?」
凄く嫌な予感がした。そして、とんでもない事実が告げられた。
「ホムラ様が…山の崖から落ちて…!!」
「っな…!!」
一気に青ざめた。まさかと思いたい。マツブサは慌てて立ち上がる。
「それで命は…!」
「幸い別状はありません・・・しかし、ショックで耳が聞こえなくなってしまって…」
「っ!!!」
冷や汗がマツブサの頬を伝う。いつも自分の傍で、自分を支えた男が消えていく感覚に恐怖が募る。が、そんなものにおびえている場合ではない。
「…すぐに医務室へいく。人払いをしておいてくれ。」
「はっ!」
部下が走り去る。マツブサもすぐに部屋を出た。
(あのホムラが…一体どうしたというんだ…!)
ぐるぐると解答のない考えを巡らせながら、マツブサは医務室へと急いだ。