氷原の雪姫
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『る゛ぎあ゛ァァァァァ!』
「桃葵、大丈夫だからな!!
たった数週間だけだぞっ!?」
『だっ、だっでりゅぎあどばなれだらあだじどうじだりゃいいのっ!?』
「………すみません、日番谷隊長。
通訳頼みます。」
「《ルキアがいなくなったら私どうしたらいいのっ!?》って言ってると思う。」
「さっすが以心伝心カップル!
………次いでに彼女の鼻水と涙拭いてあげた方がいいわよ、多分。」
不本意ながら桜月隊隊長の朽木桃葵
あれから数年間、なんとか十番隊三席を頑張ってます
本当は桜月隊を公表して十番隊を辞めれば楽なんだろうけど
やっぱり日中は冬獅郎と一緒にいたいから
で、私がどうしてヒロインにあるまじき酷い顔をしているか、というと
「ただの現世の駐在任務だぞっ!?
流魂街に比べたら虚も大したことはないs『それでも心配なのっ!!!
姉にもしものことがあったら妹は死んじゃうっ!!!』
ル キ ア が 現 世 に 行 く と か い い だ し た ! !
たかが現世任務だけど私にとっては最大級のトラウマ
初めて行った時の花火大会はルキアが大怪我
二回目の霊術院の実習は大虚の出現で冬獅郎が瀕死に
「まぁ、桃葵の気持ちも分からぬこともないが………。」
「ほら、朽木が困ってんだろ。
そろそろ離してやれ。」
『いいもん!今からもう一人のしろうに訴えてくる!!』
「諦め悪いわねぇ、アンタも;」
乱菊さんが今日何回目か分かんないため息をつく
「おい、ちゃんと別れの挨拶言っとけ。」
恋次に押されしぶしぶ
『絶対怪我しない?』
「あぁ。」
『絶対帰って来る?』
「勿論だ。」
『お土産は?』
「じゃがりこチーズ味、だろ?」
『………行ってらっしゃい。』
「あぁ、行ってくる。」
私よりちょっとだけ背の高いルキアは頭をなでなでしてから
笑顔で現世への門を潜った
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