氷原の雪姫
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「今、桃葵が来たぞ。」
「………そうか。どうしておった?」
「ありゃ怒ってんのか悲しいでんのか………;
ホントに会わなくて良かったのか?」
「あぁ。
今のアヤツに会わせる顔が無い。」
ルキアがそう言った瞬間恋次が吹き出した
「Σなっ、貴様!
人が真剣だと言うのに………!!」
「ひひっ!いや、おまえらつくづく姉妹だなぁと思って(笑)」
『姉妹』という単語を聞きルキアが嬉しそうに笑った
「兄様は三席にまで登り詰めた桃葵と違い、未だに席官にすらなれない私を見てはくださらなかった。
出来れば兄様にも私を見てくださりたかった。
けど、もういい。
あの子は私をずっと見ていてくれた。」
「ルキア………。」
「この数十年間、本当に楽しかった。
あの子の成長を見守ることがどれだけ幸せだったか。
………桃葵は私の自慢の妹だよ。
そしてあの子の姉だったのが私の誇りだ。」
それが彼女の最後の笑顔
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