You're my hero!

□名前
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「でも、あのひばりんに彼女ねぇ………。」



私は同僚の先輩の顔を思い浮かべた



「雲雀さん超ベタボレって感じだったな。」



目の前のボスは私が奢るはめとなったイチゴオーレを美味しそうに飲んでいる



「確かに彼女の方もひばりんに完璧に惚れ込んでたな。

でも、私の経験上、あぁいうのは何かきっかけでもないと進展しないね。」


そう言えば彼はこの完璧な私を鼻で笑いやがった


「恋愛経験0のお前なんかに分かるのかよ。」



「うっさい糖尿病。
てめえだって彼女いない歴=年齢のくせに。」



「黙れナルシスト。
お前も彼氏いない歴=年齢だろうが。」




しばらくぎゃーぎゃーと口論していたが毎度の如く飽きてくると
パタッと言い争いも止む




「まぁ、ファミリーとしてあたたかく見守ってやろうか。」



「そうだな。」






緑たなびくなみもりの〜






「ウワサをすれば、だ。」



彼の携帯にはついさっきまでウワサのタネだった風紀委員長の名前が表示されている





「もしもし?」



《どうせ二人ともそこにいるんでしょ。》




完璧にバレている




「どうしたんですか、電話なんて珍しい。

ヒバードならそのうち帰って来ますって。」



一度ヒバードが帰って来なくて守護者全員で探すと言う笑えない事件があった





《この辺で人気の少ないビルとか廃屋とかってない?》



彼の声は電話越しでも分かるほど焦っていた


「何があったんですか?」



《………あの子が誘拐された。》


お互い顔を見合わせる



「犯人に心当たりは?」


《ありすぎて分かんないんだけど………。》


それも問題だ



《多分、前に二人でやり返した不良集団だと思う。》



「分かりました。

みんなにも召集かけて探してみます。

くれぐれも無茶はしないでください。」






可愛い子を拐うなんて全く何処のカスだ





「行くよ、綱吉。」



「あぁ。」



























いや、確かに運転神経は良くても得物がなけりゃ私は戦えない女でございますよ



だって大好きな先輩とのデート(仮)に薙刀持ってくとか何処のスケバンだよ




でも、ここまであっさり捕まっちゃうのもドジと言うか何と言うか………。



まぁ、馬鹿だから仕方がないって事にしてもらおう






「そろそろ雲雀恭弥を呼んでくれないかな?」



『えっ、ヤだ。』



即答してやった




『来週、大事な地方大会なのに怪我したらどうしてくれるんですか。』




「じゃあ、おとなしく雲雀の電話番号w『だからムリだっつーの。』





日頃お馬鹿な私だが携帯は見られないように蹴り落として真っ二つにしてやった(自分の)




そして私は馬鹿だから先輩の電話番号どころか自分の携帯番号すら最初の「090」しか言えない










いや、「080」だったか?




だからマジで先輩の連絡先は分かりません






「呼んでくれたら君の事は解放するよ。」



『心配して貰わなくて大丈夫です。そこまでプライド落ちてませんから。』




相手がムッとした顔をする






『だいたい武器の扱い方がなってないんですよお前等。

そんなんだから毎回雲雀先輩にボコボコにされるんです。』




虚勢を張っていればその間は怖さは薄らぐ



ぶっちゃけそろそろ限界に近い





「ふざけやがっててめえ!!」




物凄い音と共に縛り付けられてた椅子ごと床に叩きつけられる




あー、手足捻挫だなこりゃ





来週の試合に出れない絶望感とこの状況に対する恐怖と緊張で
体が震え始め涙腺が弛んでくる








完全に逆ギレしてしまった不良集団のリーダーが馬乗りになって拳を振り上げる














体育会系女子だって夢見るお姫様なんです














だからこんなときぐらい、ロマンチックなガラスの靴を持った王子様を期待してもいいじゃないか



















『恭弥先輩っっ!!』








実際ガラスを割って飛び込んできたのは
トンファーを持った王子様だったんだけどね
 

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