短編!

□恋は下心
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恋は下心、愛は真心だってどこかで聞いたことがあった。
じゃあ、恋愛って、それがぐちゃぐちゃに混ざりこんだものなの?

→恋について語る男の話


教室の窓から学校の裏庭を見ていると、クラスメイトの井上(いのうえ)が告白をされていた。
これで、今月3人目だ。憎たらしい。
あいつは、性格はとことん悪いけど、顔が良くて、運動も出来て、頭が良くて…。
とにかく、俺達とは程遠い、格が違った奴だった。

俺は、教室に帰ってきた井上に話しかけた。

「モテ男は違うなあ、なんでいっつも告白されたらのに振るんだよ?
皆可愛い子ばっかりだぜー?…時々そうじゃねー奴も居るけど…。」

すると、俺の隣の席に座って井上は言う。

「好きって言う文字に心は無いんだよ。
それに、言うだろ?恋は下心、愛は真心って。」

俺は、ふうん、と言って、机にうつ伏せになってしばらくそうしていた。

そして、俺は又口を開く。

「…じゃあ、俺がお前を好きって言ったらお前はどうする?」

「……そうだな…。





お前が、俺を愛してるって言うまで犯し続けるよ。」

にやり、と綺麗に笑ったそいつの顔も俺にとっては憎らしかった。 
顔が真っ赤だ、とからかわれ、少し恥ずかしくなる。
…あいつに告白するのにはまだまだ時間が掛かりそうだ。



(どろどろでぐちゃぐちゃのこの心)(あなたはもらってくれますか?)

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