復活夢

□俺が教えてあげる
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仕事が早く終わったし、明日は土曜日。
丁度俺は休みだったから、今日はなつめを迎えになつめの通う学校まで迎えに行く事にした。

学校の前をちょっと歩いてみたら、運良くなつめが校門から出て来た所。



「なつめ!」

「ッ…ぇあ、近藤…さん?」

「え!?なつめ…?」



近くまで行ってみると、普段元気な彼女は、元気がなく、気持ちぽやぽやとしていた。


熱…?
前髪をかきあげて体温を測ってみると、やっぱり熱があるようだった。

大丈夫、と声をかけようとして、気が付いた。


彼女の目元が軽く腫れていて赤くなっている事に。



「なつめ、学校で泣いた?」

「な、な…いてません、よ?」

「目真っ赤だよ?何かあったんでしょ、ほら、話してごらんよ」

「……僕、やっぱり…ッ何やっても駄目駄目なんでしょうか…」

「なつめ…?」



どうやら本格的に潰されてるな、これは。
付き合って何年かたつけど、こんなにヘコんでるなつめなんて見た事ない。


とにかく、ヘコむ以前に自分の前では何時でも背伸びして頑張って大人を演じているなつめの泣き顔を見た事がない。

だから、なつめを俺の胸で泣かせてやりたい。



「俺ん家来る?……ほら、早く」

「ぇ、近藤さ…ん」



俺は、なつめの手を引いて家まで強制連行した。





──────────────



「で、どうしたの?なつめ」

「……これ見て下さい、凄いでしょ」

「テスト…?………わ、これは…」



そこには、10点前後のテストの解答用紙が数枚出て来た。

記憶が正しければ、前回のテストは90〜100点だった気がするんだけど…。



「前回のは初めてのテストだもん、簡単だったよ、でも、全く分からなくなっちゃったんです、あはは、笑っちゃいますよね」

「ちょっとまった!数学3点!?」

「ぅー早く近藤さんに近付いて声優になりたかったから本読みあさってたら、授業…分かんなくなりました」

「あーあー大丈夫?馬鹿…そんなん俺が教えてあげるのに…」



相手を優しく撫でてあげれば、なつめは俺にぎゅっと抱き付いて来た。
俺も抱きすくめてやる。



「……ほら、今からやるよ、次のテストは前みたいな点数になれば良いよ」

「…うん、流石に頑張る…近藤さんが教えてくれるんですか?」

「勿論、教えてあげるよ」

「じゃあ頑張ります!」



なつめは、有り難うと云いながら俺の頬にキスをした。






俺が教えてあげる



(ちょっと…分からないからって答え18しか他書いてないじゃんッ)
(だって雲雀好きだもん!近藤さん好きですから)
(はいはい)





end.

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