復活夢
□そんな甘えたな君がすき
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僕の彼女は人一倍甘えたさんです。
なんていうか、一人を嫌って、誰かと一緒にいないと不安で。
好きな人(僕ね、僕)に久し振りに会うとぴったりくっついて離れなくなる。
なにが分かって欲しいかって?
なつめの可愛さを分かって欲しいだけなんだッ!
そして今日は明日が二人とも休みだからと、一ヵ月ぶりのデート。
今日はなつめの家に泊まる予定。
でも相手は学校だから、学校までむかえに行ってくる。
門付近でケータイを取り出し──
「ゎぁあああッ!飯田さん久し振りですきゃぁああッ//」
「ぐぇッ」
思いっ切り抱き付き(という名のタックル)をされた。
くぅ、痛い。
「なつめ、久し振り…」
「飯田さん飯田さんえへへッ/」
「こらこらいきなり人に抱き付いたら迷惑だって何時も云って…飯田!?え!?ちょっとなつめおまいらいつの間に知り合って…塚離れろ迷惑だろぉが!!」
えっと…恐らくなつめの友達と思しき人物が自分からなつめを剥そうとする。
「ぁあ、大丈夫慣れてるから、えっと…」
「慣れてる!?…あ、私なつめの友達やってます桧音です」
「飯田利信で「ぎゅーしてぎゅーッ!」す、…はいはいぎゅー…」
「手慣れてやがる…えっと…仲良いんだね…」
「俺達一応付き合ってるからね、てあれ、訊いてないの?」
すりすりと甘えてくるなつめを抱き締めながら、ん?となる。
「だってまさか本当なんて…犯ざ…おっとなんでもない。なつめが怖いので帰りますさようなら」
「あ、うんさような…ていない…」
【犯罪】
まぁ、当たり前か。
学生と付き合う大人なんて身体目当てばっかだし。
取り敢えず、相手の額にキスをしてから顔をみたら。
あれ…、何かいつもよりかなり顔赤くない?
「…もしかして、熱ある?」
「ありますよ〜今朝38℃ありました〜」
「ちょ、馬鹿ッ!!」
すすすー、とずり落ちそうな彼女を抱き留めて、額に手を置けばかなりそこは熱かった。
「ッたく!」
くてんと意識を手放した相手を見ると、急いで姫抱きし、校舎の中へと走って行った。
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「高坂さん起きましたよ。えっと…お兄、さん?」
「有り難うございます。兄…じゃないですが知り合いです…あ、なつめ大丈夫?」
「…頭痛いノブぅう…」
「なんでいきなりノブ!?…大丈夫?ほら」
ベッドに座って頭を撫でてあげると、なつめは起き上がって背にもたれてくる。
いきなりだったからバランスを崩して押し倒されてしまったが、お構いなしでがしがしと抱き付かれた。
「(……可ー愛い/)」
そんな甘えたな君がすき
(ちょっと…本当にどんな関係なんですか?)
(僕は飯田さんのフィアンセです)
(な!)
end.