復活夢

□neve
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「うぅううう!!!さ、さっむいびょん!!!」



此処は黒曜ヘルシーランド。
犬は、ソファの上でのたうちまわっている。



「…五月蠅いよ、犬。」



千種は何時もの様に返事をする。
そこに、ぐしぐしと目をこすりながらなつめが起きてきた。



『……寒ぅ…何でこんなに寒いんだぁああ』

「外を見てみなさい、なつめ」

『あ!骸さん!』

コツコツ、と足音をたてて僕は愛しい愛しいなつめの元へと歩み寄る。
僕は、なつめの頭の上に、ぽん、と毛糸の帽子を置いてやった。
そして、窓の外へ指と視線をやると、それを辿るなつめの視線をじっと見つめる。
嗚呼何て可愛いんでしょうか。


外を見た彼女は、とたん、目を輝かせながら外を見た。



『外……??……あ!!』



…そこには。


一面真っ白に包まれている。
太陽の光を浴びてキラキラ光るそれはとても綺麗だ。



「あぁあ!だから寒かったんだびょん!!」



犬が地団太踏んでいる。
まあ、無理もない。
只でさえボロくて寒い黒曜ランドが、雪のせいでもっと寒くなってるのだから。


しかし、うーんと考えた後に、パッと表情を一転させた。



「でも、雪!!なつめ!外行こうぜ!!」

『行こ行こ!』

「あ、ちょ、なつめ?」


寒いから上に何か来ていきなさい……と、云おうとしたものの。
もうすでに遅し。
二つ返事をした後直ぐの事。なつめと犬は外へもうダッシュしていた。



「……ホント……子供みたいですね」



誰も気がつかない程度に口角を緩める。
目を細めてその光景を垣間見たあと、骸はなつめの元へ歩いて行った。



「ゎ……綺麗……」



流石廃墟となった黒曜ヘルシーランド。
誰も足を踏み入れないために綺麗な純白がキラキラと光っている。

何とも云えない喜びになつめは身を震わせた。


そして骸はというとなつめの様子を只唯じっとみて顔を綻ばせるのだった。


なつめは一歩白に足を沈ませるとざっざという音と共に前へ前へ進んでいく。



「ね、きっとふかふかで気持ちいいんだろうね」

「そうですね」



なつめの可愛らしい発言に又も口角を緩め、しゃがみ込んで雪を直に触る。
確かに、冷たいがサラサラの氷の粒で気持ちが良かった。

骸は雪を掌にのせ、なつめの頬にそっと付ける。
目を><(こんなふう)にして冷たがる顔をじっと見つめ、目があったところで立ち上がった。



「えへへ、ふかふかだ」

「なつめ?」



見るとそこには雪の上にポスンと寝そべってにやにやしてるなつめがいた。



「やめなさい風邪を引きますよ?」



腕を掴んで引き上げようとすると、軽くお腹を叩かれ怯んだ隙にこちらも寝転がらせる。
さっきよりも不適に笑い、頬を擦り着けられる。

何、と鼻をつつくと、骸の胸に顔を沈ませた。



「大丈夫。こうすると温かいでしょ?…それにね」

「もし風邪をひいても骸さんが看病してくれるのでしょう?」



その表情で許してしまう僕は
なつめ中毒





neve



(neveってどういう意味?)
(雪、ですよ)
(じゃあ僕だね、雪の守護者!)





end.

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