復活夢
□こどもだとか
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始めてから3回目の収録が終わり、皆でやいのやいのやっている。
今日は家庭教師ヒットマンREBORN!の劇場版の収録だった。
今は、現場を出たすぐ近くにあるコ○ダに入って、軽い、物凄く軽い打ち上げをやっている。
「なつめちゃん、今日で3回目だけど、どう?ちょっとはなれて来た?」
國分さんの問い掛けに、なつめは口元に人指し指を一歩置いて、うーん、と考える仕草をやってみせる。
そして、ふわりと笑うと答えた。
「まだなれない事のが多いですけど、でも、皆優しいので楽しいです」
「そっか、確かに未だに飯田君を見ると涙目になるよね」
「ふぇっ!?」
そう。
なつめは初めてあった時から、自分を見るとそれはもう泣いて(嬉涙って云ってるけど嘘だったなら悲しい)泣いて大変だった。
扱いも、皆と何か違うし。
話し掛けても目も合わせず適当に流されてるし。
好きな子にそんな態度を取られてるから尚もショックが大きい。
「それは僕が超カッコいいからっしょ!な?なつめ」
「えっ、あ…はい、そう………ですねっ」
今もほら、焦りが見える。
俺の事嫌いなのかな。
「ぅわーなんかやっぱ二人の会話見てると楽しいね。なつめちゃん目茶苦茶照れてるもん。よっぽど好きなんだね」
「うぅ…」
「えっ!?」
えぇ!
好きなの!?
てっきり嫌われてると思っちゃったよ!
なあんだ。
でも、その好きは、憧れとしての好きなの?
どうしてもその気持ちをハッキリさせたい。
今日、告白…してみようか。
でも、どうしても後一歩踏み出せないでいる理由がある。
それは
年齢
「でも可哀相だょね。なつめちゃんと飯田君って15歳の年の差だもんネ。もし恋したとしても、それは叶ゎなぃょね。」
「!」
そう僕との年の差は15歳。
もうこれは犯罪級の年の差なわけで。
だから、なつめももしかしたら、いや確実に僕の事をおじさん、だなんて思っているかもしれない。
「……………ぁ、僕ホテルまで行く行き方調べなきゃ、だし、もう行きます。お疲れ様です」
「なつめちゃん?」
さっきまではそんな素振り一切見せなかったのに、急な事だ。
お金を置いて皆の挨拶もろくにせずにたったか走って行ってしまったので、心配になり追いかけようとする。
「あ、僕もちょっと行きます。」
自分も料金を置いて走る。
二人が居なくなった場所で、ニーコさんは呟いた。
「なんだ、ふたりとも本気だったんだ。つまんない…ニーコぢゃダメなの……?」
その言葉はガヤついた場所に誰も聞き取られずに静かに消えて行った。
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